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全国スポ少予選に負けて

全国スポ少群馬県大会


敗戦から1週間が経過し、やっとホームページを見る気持ちになった。先日の敗戦に対し、温かく包んでくれるような内容であり涙がでそうになった。


「少しバレーから離れたい」そんな気持ちすらわいてきた敗戦であった。

Aクラスの戦い、レベルも同じであるため、負けることも覚悟はしていたが、今大会に向け相当な努力をしてきただけに、本当にショックであった。たぶん、それはコーチや保護者も同だと思う。今年は、チーム作りにコーチや保護者が積極的に関わってくれており、今大会に対する強い思いが分かっていただけに勝たせられなくて申し分けないし、つらい・・・。

しかし、結果を受けとめなければ、私自身も今後のEASTも成長できないため、振り返ることとしたい。

1回戦 斉藤監督率いるオール東。オール東は低学年の選手が何人か入っているため、EASTのバレーができれば勝てるイメージはあった。しかし、毎年のようにチームをAクラスまで引き上げ、しっかりとした技術指導ができる斉藤監督の手腕は怖いし、尊敬もしている。結果は快勝。良い緊張感の中、自分たちのリズムでゲームができた。少し気になったのが、セッターの不調だった。大会の日にレギュラー全員が好調であれば幸いであるが、年間の数ある大会の中でそういったことはまずない。また、不調ならば、不調なりの戦い方があり、不調だから負けるというわけでもない。そのためにも本人がその日の状態に気付くことが大切である。セッターの「はなほ」も自分の状態に気がついてくれていたため、そこから、調子をもどしていくための支援が指導者の務めと考えている。

2回戦 ドリームス戦。

選手全般に硬さと力みがあり、うちの持ち味であるテンポの良いバレーができていなかった。ドリームスはサーブをうちのエースを狙ってくるものと思われたが、バックライトを狙ってきた。逆にうちの弱点を攻めてくるのだから、研究しているとは感じた。しかし、バックライトの「ひろえ」はそれほど動揺することはなく、うまくさばいてくれた。半年前の彼女なら心がブレてしまい、何本もはじいていたと思う。それと、エースの「ゆい」はすばらしかった。トスが近くブロックされる場面もあったが、心が乱れる事なく、落ちついてプレーをしてくれていた。しかし、1回戦同様、セッター「はなほ」の調子は良くなかった。おびえている雰囲気さえもあった。

指導者が指摘する事でへこむ選手と、立ち直る選手がいるが、「はなほ」は両方の部分があり、対応に迷った。実は夏の関東ブロック県大会の決勝でも、セッターが同じような状態になり、「調子が良くないことを認めてごらん」と指摘した結果、試合中に涙することがあった。これは、私の持論だが、女性は泣くことですっきりし、前向きになることがあると思う。実際に涙の後、すっきりしたのかどうかはわからないが、開き直ったプレーができ、優勝することができた。「だから今回も」という意識はまったくなかったが、(監督)「調子どうだい」(はなほ)「わるいです」(監督)「まずはそれを認めてあげな」こんなやりとりの中、「はなほ」の頬に涙が伝わってきた。1セット目の後半から少しずつではあるが、全員が連動し、良いテンポでバレーできるようになった。

2セット目のゲームは本当に素晴らしかった。EASTが今まで取り組んできたバレーを見事に表現できた。相手のスパイクから速いテンポでバックセンター「きさき」が走りこんで見事にスパイクを決めてくれた。そうなると当然相手は「きさき」マークとなるが、そこからライトにトスを振り「まひろ」のフェイントが決まり、相手を翻弄した。レシーバーの「ひろえ」と「なつき」は落ちそうなボールを何度も上げてくれ、足を止めず良く動いてくれた。途中「まひろ」に変わってピンチサーバーで登場した「みさき」。1セット目の失敗を修正し、2本連続サービスエース。自分のことのようにベンチで喜んでいるキャプテン「まひろ」の姿は今でも忘れられない。ベンチの後ろでは、保護者も大喜びしていた。全員の参加意識も高いし、コートでは一つのボールにみんなが連動し、レシーブしたボールからアタッカーは走りだし、躍動感あふれるプレーは観ている人を楽しませることができたと思う。

3セット目開始。前回はEASTが勝っていることもあり、「絶対負けない」というドリームスの選手の気迫がベンチまで伝わってきた。前半はドリームスのサーブで崩され、苦しい展開だった。ただ、うちも負けられない。さあ、これからという時であった。点数は、7対3ぐらいだったと思うが、この1つのプレーにより、一気に流れをもっていかれてしまった。ライト「まひろ」のタッチネットである。さあ、これからという場面、レフト「ゆい」は引き続き好調を維持していた。ただ、マークされ気味であり、ブロックでワンタッチを取られる場面もあった。そんなラリー中、ライトへのトスをまわした。

相手のブロッカ―は完全にふられ、ノーブロック状態。これだけを書けば、ノーブロックにしたのだから「良いトス」となるわけだが、なぜか私は嫌な予感がした。レフト「ゆい」が燃えていたこともあり、私としては「ゆい」をもう1本使ってほしかった。しかし、「はなほ」の感性がそうさせたのだから信じるしかなかった。ノーブロックを察したのかライト「まひろ」も渾身のストレートスパイクを放った。相手ははじき、誰もが決まったと思った。少し間をおいてからの主審がタッチネットのシグナルであった。副審は見ておらず、私もタッチネットに気づいていなかった。「まひろ」も興奮しており、たぶん自分の反則に気が付いていなかったかもしれない。そのミスをきっかけにし、一気に流れがもっていかれ、追いつくことができなかった。「まひろ」は責任を感じてしまい、普通の精神状態を維持することすら困難な様子であった。セッター「はなほ」は感じるものがあったのか、その後のトスもブレてしまい、立て直すことはできなかった。


「はなほ」に言いたい。今大会は調子が上がらず苦しかったと思う。しかし、最後に自分の感性を信じ、勇気をもってライトにトスを上げ、相手のブロッカーを外したことに自信と誇りを持ってほしい。

「まひろ」に言いたい。誰よりも責任感が強い君のことだから、本当に落ち込んだと思う。「絶対に決める」という思いがあってこそのタッチネットです。それは、だれも責めることができない。また、タッチネットが君でよかったとさえ思っているよ。なぜなら君ならこのつらさを受けとめ、必ず乗り越えてくれると信じているからです。


敗因は私の「力み」につきると思います。「力み」を選手に背負わせてしまった。本当にごめんね。エース「ゆい」の父ちゃんでもある竹内コーチ。親子で全国の舞台を夢見ていただけに、願いをかなえられなくてごめんね。そして、皆さん。いままで本当にありがとう。これからもバレーボールに謙虚に向き合い、さらにEASTを良いチームにすることを誓いの言葉とし、お礼と致します




平成28年12月15日   

藤岡EAST 監督 渡邊 学